野良出身、推定年齢5歳半の雑種猫ポロンはあっけなく逝ってしまい、Wildman家にはとっても寂しい空気が流れておりました。
最近は野良猫でさえ長生きの時代で、まさか家から一歩も出ない飼い猫があっさりと死んでしまうとは思ってもみなかったので、唐突過ぎる現実が信じられませんでした。
ペット禁止アパート時代にハムスターも飼っていた事がありまして、マイカル本牧にて衝動買いで買った¥980のハムスターが2年後病気になり、動物病院での手術費用が¥19,000も掛かり世の中の不思議を感じましたが、その後1年弱生き延びてくれました。ヤツが死んだ時もそれなりに悲しかったですが、今回はかなりキツかったです・・・
次の休みの月曜日に何とかペットの葬儀場の予約が取れ、ポロンはたくさんの花に包まれて火葬され、小さな骨壺に入って帰宅となりました。帰り道は遠回りしてポロンが2年間住んだ懐かしの「ペット禁止アパート」の前を通過し、思い出に浸る変態一家は安物テレビドラマのようでした。
「あ〜あ、ポロンが死んじまった、まあこれもアイツの運命だな!! 紅葉坂でカラスに襲撃されてた所を運良く保護されて5年以上も生きたんだから良しとしましょう」と言ってもカミサンは全く立ち直る気配がありません・・・・
猛烈な鬱状態となり、ポロンのことを思い出しては泣く始末でして、これが噂の「ペットロス」なのかと思いました。愛玩動物喪失でありますね。「うーむ俺もいきなりミクロペットやダイヤペットのミニカーを失ったらとっても悲しいな、その場合はミクロペットロス、愛玩具喪失というのだろうか・・・」と悲しみの想像をしていました、ああとっても悲しいな。
そんなこんなでポロンがいなくなってから数週間が過ぎ、ペットのいない日々を過ごしていました。あんな野良出身の雑種猫でも急にいなくなりゃ寂しいものでして、家に帰っても玄関にその姿はなく、愛用のオモチャやエサを入れていたお皿なんか置いてあるとよけい寂しくなり「いっそのことポロングッズは全部処分してしまおう」なんて思いましたがなかなかそうも行きませんでした。
そしてある日ヘンテコな事が起こったのです。御所山Studioにて作業をしていて、3時の休憩タイムにふらっと缶コーヒーを買いに行ったところ、前方より黒い物体が近づいてきます。「あれは何??」と見ているとそいつはどんどんこっちへ向かって来るのです。
「ありゃ、猫だ、なんか変な色だぞ」と思うとニャーニャー鳴きながら変態の足元まで来ました。
やたらスリムな猫は何とも言えない色合いのグレー一色のカラーリングで、とっても鋭い顔つきをしていました。御所山はキャットストリートと呼ばれるほど野良猫が多い街なのですがこんなデザインの奴はこれまで見た事がありませんでした。「おい、お前一体誰だ、何者だ」と聞いてもニャーニャー言うだけで、人の後をついてくるのです。
冷静に見るとこいつはどう考えてもデザインからして雑種猫じゃなく純血種の猫にしか見えません、しかもやたら人に馴れているのですが首輪はしていません。
「何だコイツ?脱走兵か??しばらくほっぽっておけばいなくなるだろう」と思い放っておくとどっかにいなくなりました。が、しばらくするとまたそいつの姿が現れたのです。「おい、お前どっかの家から脱走して来たのか?」と聞いてもニャーしか言わず、しかもよく見ると足にケガをしていて血がにじんでいました。かなり痛そう・・・・
「こりゃ絶対に脱走兵だな、飼い主さんはさぞや困っているだろうに」と思い、すでに夜になっていましたが帰宅コースにある交番にヤツを連れて行きました。「お巡りさん、こいつが仕事場の周りをうろついているんですけど、何か飼い主さんの届け出みたいなの出てませんでしょうか?」と聞いてみると「ああ、これね3日位前からこの辺歩いてるよ」と予想外の答えが返ってきました。「3日前って、お巡りさんコイツ知ってたの?だったらなんとかしてよ」と言っても、「届け出も何も出てないから預かるわけにも行かない」と野良同様の扱いでした。
仕方なくほっぽって帰ると次の日もそいつはうろついているのです。近くの米屋のおじさんが「あの猫数日前からふらついてるから、エサやってるんだよね」と言っています。「何だ、みんな知ってたのか、じゃそのうち飼い主さんが張り紙したり、頼りにならない交番に届けを出すでしょう」と思っていました。しかし何日たっても捜索願いは提出されていないようで、純血種らしきこいつは野良に帰化しようとしていました。
結局交番じゃなく、警察署に問い合わせても捜査願いは出ていなく、行き先のないコイツはどうなってしまうのでしょう。
動物病院に聞くと一時的に預かったとしても、飼い主や行き先が見つからない場合は処分されてしまうとのことでした。
「うーむ、どうしよう・・・何で飼い主が現れないんだろ、このまま野良猫が増えたら困ってしまうぞ」と思いましたが、もしかしたらほんとにただの野良猫なのかもしれんと思い、念の為家に帰ってインターネットでヤツの風貌を検索してみると「あった、コイツだ、ヤツに間違いない」と見つけた純血種猫の画像は「ロシアンブルー」という種類の猫なのでした。
イギリス原産の短毛種猫で、犬のように主人に忠実で性格もおとなしく、別名「ボイスレスキャット」と呼ばれ、鳴き声の少ない猫で飼いやすいとの事でした。「ふーん、そうなんだ、そういうヤツなんだ・・・・」とヤツの正体が明らかになりましたが飼い主は一向に現れないのです。
「そうか主人に忠実なのか・・・・・うーん・・・」そこでムクムクと新たな考えが浮かんで来ました「このままほっぽいてもうろつかれて迷惑になるし、ケガも直さんとかわいそうだし、とりあえずウチで預かるか。そのうち飼い主が現れるかもしれんし、そしたら返しちゃえばいいから一時預かりという形で自宅で保護しよう」という結論が出たのです。
まあその裏にはペットロス状態のカミサンの気も少しは紛れるだろうなという想いもあり「ポロンの生まれ変わり」という変な期待もありました。ポロンが亡くなってから数週間後の2004年の春に迷い猫でグレーに光り輝くロシアンブルーは一時預かりという形で我が家にやって来たのです。
ポロンがお世話になっていた動物病院に連れて行って確認してもらうとやっぱり間違いなくヤツはロシアンブルーというペットショップでは原付一台分くらいの金額の猫種なのでした。推定年齢1歳くらいのオス猫で去勢手術もされていませんでした。
その時点では警察にも届けてあるから絶対に飼い主が現れるだろうと思っていたのですが、まあ一時預かりとはいえ名前くらいは付けておこうという事になり、またもカミサンの提案により御所山出身の純血種浮浪猫は「ロビン」というネーミングに決まりました。
さてそんなロビンですがまいりました・・・・・その後も飼い主さん情報は全く無く、結局Wildman家に完全に住み着いたヤツは、やたら頭がいいのです。ドアのレバーは勝手に引いてドアを開けるのは朝飯前で、家の中を自由に行き来し、すきあらば外にも出てしまいケンカや散歩をして悠々と帰ってくるという始末です・・・・コイツ前もこうやって脱走したのか・・・・・
去勢手術をすると爆発的に太り始め、本来スリムな体形が特徴のロシアンブルーのはずが体重7キロオーバーのただのねずみ色のデブネコになってしまいました。しかもですよヤツは「マイウ〜」と鳴くんですよ、ほんとだってば!!
人畜無害でおとなしかったポロンしか知らない二人にはロビンの行為は信じがたく、毎日が戦いとなってしまいました。「何がボイスレスキャットだ、ニャーニャー鳴きやがって!!!何が主人に忠実だ脱走ばかりしやがって!!!」とロビンとの格闘はいまだ続いているのです。
とここでペットの話が終わるのが普通ですが、普通でないのが楽しい我が家!!次回連載4回目「Wildmanペット物語 増殖編」が始まります、乞う御期待!!

ん〜連載最高です♪